こんにちは。歯科衛生士の大内です。
夏休みは終わってしまいましたが...
「自由研究」に挑戦してみました!
大人になっても実験ってワクワクしますよね。
今回は、患者さんからよくいただく
「どんな歯ブラシがいいですか?」という質問に応えるべく、
市販されているいくつかの歯ブラシをピックアップ。
最近話題のものも含めて、
値段も形もバラバラな歯ブラシたちを実際に使い、
模型で清掃力を比べてみました。
ちなみに、私たちが毎日歯ブラシで
落としているものは何でしょうか?
それは単なる食べ残しや汚れではなく、
歯垢(プラーク)と呼ばれる
“ばい菌の塊”です。
この中にはむし歯や歯周病の原因となる菌も含まれています。
そして、落としたとしても
数時間でまた作られてしまうのがプラークの特徴。
だからこそ、毎日の歯ブラシが欠かせないのです。
実験で使った歯ブラシ
1. タフト24(ソフト・フラットラウンド毛/¥150)
2. マツモトキヨシオリジナル(ふつう・超極細毛/¥162)
3. LION ラバーヘッド(ふつう・ラバーヘッド/¥360)
4. 奇跡の歯ブラシ(ふつう・ピラミッド形状/¥620)
5. ブラウン オーラルB 電動歯ブラシ(丸型回転/替えブラシ約¥1000)
実験条件
・電動以外はペングリップで同じくらいの圧力で磨く
・模型の犬歯~親知らずまでの頬側と咬合面に人エプラークを塗布
・約50~60秒磨いて、どの部分にプラークが残るかを確認
結果
①タフト24
コスパ抜群。平らな面はすぐにきれいに。
溝も意識して当てればOK。ただし歯間部は残りやすい。
②マツキヨオリジナル
残念ながら落ちが悪い...。
毛先が極細なので歯周ポケットに入るかもしれないが、
平滑面すらどこもなかなかきれいにならず、
時間がかかるので、歯周ポケットの清掃は期待できない。
よってコスパは悪くないが効率は低め。
③LIONラバーヘッド
ブラシの毛の部分がラバー(ゴム)でできている。
プラーク落ちは①に近いが、やや時間がかかる。
歯間部の効果は普通。価格を考えると①のほうが優秀。
水切れは良く衛生的。
④奇跡の歯ブラシ
値段は高めだが、操作性がよく、平滑面も溝も短時間できれいに。
特に歯間部は奥までブラシが届きやすい。
毛束の長さが違う部分があるため、やや消耗は早そう。
⑤ブラウン オーラルB 電動
プラーク落ちは悪くないが、
意外と一本歯を磨き終えるのに時間がかかる。
角度を工夫すれば効果的だが、
「当てるだけで完璧!」というわけではなかった。
考察
・ 値段と清掃力は必ずしも比例しない
シンプルな歯ブラシでも十分にきれいにできます。
・ 形状や毛先は清掃部位との相性が大きい
特にむし歯や歯周病のリスクが高い
「歯間部に届くかどうか」は重要なポイント。
ただし歯と歯が接触しているコンタクト部分は、
残念ながら歯ブラシだけでは清掃できません。
そのためデンタルフロスや歯間ブラシといった
歯間清掃用具との併用が必須だと感じました。
・ 電動ブラシは万能ではない
当てるだけでラク...と思いきや、角度や当て方に工夫が必要。
テクニックフリーではありません。
実験の感想
「奇跡の歯ブラシ」の名は伊達ではなく、
確かに清掃力は優秀でした。
ただ、1か月ごとに交換を考えると
少しコストが気になるところ...。
それでも、「なかなかうまく磨けない」「テクニックを覚えるのは面倒」
「でもむし歯や歯周病は繰り返したくない」という方には、
試してみる価値があると思います。
一方で、タフト24はコスパ最強。
シンプル・イズ・ベストの典型でした。
今回の実験で改めて思ったのは、
プラークを落とすカギは、ブラシの性能もありますが、
「正しい当て方」と「毎日の積み重ね」にあるということ。
プラークは落とせないまま放置すると硬くなり、
やがて歯ブラシでは落とせない歯石になってしまいます。
どんなに高価なブラシでも、角度や時間が不十分だと
プラークは残ってしまうのです。
患者さんにも「患者さんそれぞれに合ったブラシを見つけて、
正しい方法で続ける」ことをお伝えしていきたいです。
※今回ご紹介した実験は、あくまで私個人が行ったものです。
条件を完全に統一した正確な研究ではありませんので、
この結果がすべてではないことをご理解ください。
また、歯ブラシの使い方や効果の感じ方には個人差があります。
今回の内容は一つの参考として、
実際の歯みがきではご自身に合った方法や
歯間清掃用具を組み合わせて取り入れていただければと思います。
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